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596話

「肖冰??」陸塵はこの名前にどこか聞き覚えがあるような気がして、思わず少女をじっくりと観察した。

陸塵は三百六十度死角なしのイケメンだけあって、少女は見つめられて少し居心地悪そうに、目線を泳がせながらも礼儀正しい笑顔を保とうとした。「お客様のお名前は?どのようなお部屋をお探しですか?ご案内させていただきます」

陸塵は意味ありげに微笑んだ。「僕は陸、陸塵だ」

「陸塵??」その名前を聞いて、肖冰の表情も一瞬凍りついた。

陸塵はわざと彼女をからかった。「どうしたの?」

肖冰は我に返り、笑いながら言った。「以前の隣人と同じお名前なんです」

陸塵は口元を引き締めて笑った。「お嬢さん、イケメン...