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577話

脇の下に書類カバンを挟み、そのカバンからわざと露出させた中華のタバコ。

このチンピラめいた出で立ちで現れた途端、昌隆の従業員たちは皆、目を丸くして呆然としていた。

しかし方虎はそんな世間の視線など全く気にしていない様子。彼は常に一つの言葉を信条としていた:「世間は私が狂っていると笑うが、私は世間が見抜けないことを笑う」。

全ての人の視線を浴びながら、彼は豪華な毛皮のコートを一振りし、胸を張り、大きく揺れながら堂々と歩いて、オフィスへと入っていった。

「兄貴、どうぞ、中華を一本」

方虎は二本の指でタバコを挟み出し、歩く様子はまるで尻と体がそれぞれ別々に動いているようだった。

万智亮と熊元凱は二人...