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39話

そんな陸紫菱が陸塵の腕にすがりつく姿は、多くの生徒の視線を集めていた。

なにしろ陸紫菱は第二中学の冷たい校内一の美少女で、普段は人を寄せ付けない高飛車な態度を取っていたのだ。こんな風に異性と親しげにしている姿など見たことがない。

これには多くの男子生徒の心が粉々に砕け散った。

一方、女子生徒たちの関心はもっぱら陸塵に向けられていた。剣のように鋭い眉に星のような目、陽光のように爽やかなその顔立ちと逞しい体格は、少女たちが思い描く白馬の王子様そのもの。さらに陸塵の身にまとう言葉では表せない雰囲気が、少女たちの胸をときめかせていた。

彼女たちは友達同士で陸塵の話題でからかい合いながらも、琵琶を抱えて...