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270話

「小瓶の中身はまるで粘液のようだったが、よく見ると、これは液体ではなく、無数の小さな粉粒状のものが密集して一つに凝集し、粘稠な液体のように見えるだけだった。

指示を受けたスーツの男は、あの奇妙な男に逆らう気など毛頭なく、すぐに小瓶を手に取り、さりげなくハマーの横に歩み寄ると、蓋を開けて、蠢き続ける粘液状のものをすべてドアノブに注ぎかけた!

この男こそが毒を使った呪術に精通した呪術師で、彼の真の恐ろしさは、無色無味の毒を調合し、人知れず静かに人を中毒させることにあった。

先ほど三人の男が目撃した、名前を呼ばれて応答するとすぐに死ぬという現象は、単に彼が前もって相手に毒を盛っていただけのこと...