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1361話

朱に染まった彼女の頬は相変わらず冷たい表情を浮かべていたが、心の中では恥ずかしさと怒りが入り混じっていた。

彼女には本当に理解できなかった。なぜ自分が出会ったばかりの男性とこんな狂気じみたことをしてしまったのか。

だが認めざるを得なかった。あの極上の体験に彼女は夢中になっており、目の前の男性を見るだけで、どこか好ましく思えてしまうのだ。

冷たかった瞳にはすでに微かな優しさが宿っていた。

これはおそらく性の魅力と不思議さなのだろう。

極上の満足感を得た時、それは憎らしいと思っていた相手にさえ情を抱かせ、やめられなくさせる力を持つ。

ましてや、彼女の陸塵に対する印象は悪くなかったのだから。

これこ...