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1196話

この若者は本当に天賦の才に恵まれている。若くして医術に長けているだけでなく、内功も深く、さらには丹薬の調合まで心得ているとは。

京城にいれば、きっと頭角を現すだろう!

他の名家の子弟なら、とっくに名を四海に轟かせているはずだ。

それなのに彼は名声も立てず、鋭気も見せない。

確かに謎めいている。

「ただ……」

陸塵の突然の言葉の途切れに、葉如霜は胸が震えた。「ただ、何?」

陸塵は言った。「五級の丹薬を調合する成功率はあまりにも低い。もし薬王鼎か薬王が残した他の丹炉が見つかれば、成功率は少なくとも五割上がり、薬効も五割は高まるだろう」

「薬王鼎?」葉如霜は尋ねた。「どこで探せばいいの?」

陸塵は何...