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898話

「根っからの腐れ者だ」と趙東は常々思っていた。そういった輩は更生教育などで矯正できるとは到底信じられなかった。彼が信じるのはただ二つ、一つは殺して来世に送り込むこと、そうすれば次の人生では良い人間になるかもしれない。もう一つは、悪事を働く能力そのものを奪ってしまうことだ。

「お嬢さん、あんたの弟はいま俺たちの手の中にいるんだぜ。素直に俺たちと一緒に来てくれれば、弟には何もしないって約束する。でも言うこと聞かなきゃ、明日には弟の腕や足がなくなってても、俺たちが非情だったって恨まないでよ」

王麗はその言葉を聞いて愕然とした。弟が賭け事に手を出すのは知っていた。前回も趙東に助けてもらったばかりな...