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790話

「それじゃあ、陳叔父さん、こちらはあなたの甥御さんですが、誰かに病院へ連れて行かせたほうがいいんじゃないですか?」趙東はそう言って陳長書に向き直った。

陳長書はその言葉を聞いて最初に思ったのは反論し、趙東に噛みついてやることだった。こんな絶好の機会を逃したくなかった。だが趙東の目に宿る鋭い殺気を見た途端、すぐに尻込みしてしまった。

趙東に足を蹴り折られ、棒で歯を叩き落とされるなんて御免こうむりたかった。

「早く、お前たち、急いで怪我人を助けろ」

そう言いながらも、陳長書の足はまだ意思とは関係なく震えていた。

趙武も趙東がここまで容赦なく手を下すとは思っていなかった。だが彼は何も言わな...