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706話

赵東のこの質問に赵武は一瞬戸惑った。棒子谷というのは山へと直接通じる大きな渓流だ。両側の土地は確かに良いのだが、あまりにも山に近すぎて日当たりが悪く、作物の出来も良くないだろう。だから両側には土地がたくさんあるものの、借りる人はほとんどいなかった。

「小東、そこが欲しいのか?あそこの地形は知ってるだろう?何を植えても収穫が減るぞ」

「赵おじさん、それは知ってますよ。棒子谷も含めて全部借りたいんですが、どうでしょう?」

赵東がこう言い出すと、邢新宇も赵武も眉をひそめた。二人は赵東が何を企んでいるのか理解できなかった。棒子谷と言っても実際は大きな渓流に過ぎない。源流は山にあり、長年彼らは土地...