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603話

「それじゃ」と言い残して、潘玉鳳はそのまま外へ駆け出した。

趙武は用を足してくると言い訳して、彼女の後を追った。

趙東はさっきからすべてお見通しだった。趙武の目には明らかに邪な欲望が満ちていた。彼は趙武の人柄を信じているものの、酒が入った状態では何をするか読めない。

だが彼はついていくことはせず、皆に満杯の鶏スープを注いで、先に食べるよう促した。

五分経っても趙武が戻らないのを見て、趙東は嫌な予感がした。

すぐに楊樹人に一言断りを入れて外へ出た。

趙武は用を足すと言ったが、実際には彼の心には今日こそ実行したい大胆な考えがあった。

その考えは長い間抱いていたもので、ただ機会がなかっ...