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560話

趙東の緊張が解けるのを見て、高麗麗も思わず口元を引き締めて微笑んだ。

「お姉さん、書き終わりましたよ。笑顔、本当に綺麗ですね」

趙東はそう言いながら、記入済みの用紙と身分証を彼女に差し出した。

高麗麗は用紙を受け取り、目を細めて笑いながら言った。「あなた、いつもこうやって女の子に声かけてるの? なんだか口から出てくる甘い言葉、随分慣れてるみたいね?」

「あぁ...美人のお姉さんに誤解されちゃいましたね。普段は女の子と話すことなんてほとんどないんですよ。でも、こんなに綺麗なお姉さんと少しでも話さないと、一生の損失だと思って」

「へぇ?ただ私と話したいだけ?」

高麗麗の美しい瞳から限り...