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535話

「へへ、あの洞窟の中は光がほとんどなかったから、見えたのは今みたいに鮮明じゃなかったよ」

「あら?じゃあ今見える姿と洞窟で見た姿、どっちが綺麗だと思う?」

羅小花はゆっくりと趙東に近づいてきた。体には水滴がまだ光っていて、その美しい顔がもう少しで趙東の顔に触れそうなほど近づき、吐息が漂ってきて、趙東は思わず深く何度か息を吸い込んだ。

「どっちも綺麗だよ。あっちは朧げな美しさで、こっちは自然の美しさ。でも、どんな美しさも小花姉さんを一度抱いた後の、心を揺さぶるような美しさには敵わないね」

そう言うと、趙東の手は我慢できずに目の前の羅小花をぐっと抱き寄せた。絹のように滑らかな肌に触...