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516話

「次の人」

「李おじさん、今日は一番多いですね。なんと三十キロもありますか。後でお金をお渡しするので、少々お待ちください。今日は人が多すぎて」

「趙おじさん、まさか松茸採りに行かれたんですか?畑仕事はもうやめるつもりですか?」

趙東は松茸を売りに来た人々に次々と世間話をしながら丁寧に応対し、陳長書のことは完全に無視していた。そして趙東のこうした態度に、周囲の人々も自然と陳長書を遠ざけるようになった。もともと村での陳長書の評判はあまり良くなかったこともあり。

「へへへ、小東、叔父さんが褒めるわけじゃないが、お前さんは本当にやるな。頭が切れる。昔なら山の中の松茸なんて誰も欲しがらなかったの...