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502話

趙東は黄土がすでに湿り気を帯びていることに気づき、軽々と手で掻き分けた。

黄土の下には酒甕ではなく、何かの草で編まれた麻縄のようなものがきつく巻かれていた。

それらをすべて取り除いた後、趙東はゆっくりと酒甕を開けた。

立ち込めてきたのは濃厚な酒の香り。この香りは先ほどの女児紅とは全く異なり、かすかな米の香りが混ざりながらも、最も人を酔わせるのはその酒香だった。

鄭自如はその濃厚な酒の香りを嗅ぐと、目を輝かせた。

「これは本物の二鍋頭じゃないか?」

柳如意もその香りを嗅ぐと、扇子を閉じて、やや確信が持てない様子で言った。「おそらく十年物の佳酒で、六十五度ほどの二鍋頭だろう。こんな素晴...