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372話

「こんな状況で、趙東が田春柳の望みを理解しないわけがない」彼はすぐに唇を重ねた。

「んっ……」

田春柳は本能的に目を閉じ、恥ずかしさに身を委ねていたが、まさか趙東が本当にキスしてくるとは思っていなかった。

その温かい感触に思わず全身が震えた。趙東の柔らかい舌が彼女の唇を開こうとした瞬間、田春柳は急に後ずさりした。

やはりここは店の入口、人に見られたら大変だ。

趙東は少し慌てた田春柳の様子を見て、思わず微笑んだ。

「へへ、お姉さん、甘かったよ」

自分の唇を舐めながら、まるで物足りなさそうな表情を浮かべる趙東を見て、田春柳の顔はさらに赤くなり、まるで水滴が落ちそうなほどだった。

「...