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33話

赵東は道中、バイクを猛スピードで走らせ、あっという間に蓬莱飯店に着いた。

薬草の籠を背負い、松茸の入った籠を片手に提げて、赵東は店内に入った。

「親父さん、松茸買いませんか?今採ってきたばかりですよ」

「ちょっと見せてみな」

劉大頭は一つ手に取り、香りを嗅ぐと、すぐに頷いた。「悪くないな。全部買おう。今後も持ってくるなら、三十五元で買い取るぞ」

その言葉が終わるか終わらないかのうちに、赵東は店内から騒がしい声を聞いた。

五、六人の若者が劉程程を引きずって外に連れ出そうとしていた。

白昼堂々と人さらいとは。

「その娘を放せ!」

赵東の怒号に、全員が彼の方を振り...