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291話

袁香玲は趙東のその動作に完全に驚かされた。心の中では期待していたものの、心の準備ができていなかったため、すぐさま後ずさりした。

しかし、ハイヒールを履いていたせいで、不注意から後ろに倒れかけてしまう。

趙東は目ざとく素早く一歩踏み出し、袁香玲の言葉では表せないほど美しい背中と細い腰を支えた。

一枚の布越しではあったが、趙東は彼女の完璧な肌を想像することができた。前回袁香玲にマッサージをして以来、趙東は彼女のスキンケアに感心していた。

袁香玲は腰に感じる大きな手の熱さに、思わず体が柔らかくなるのを感じた。

本来あるべき威厳も、指先で絡めとられるような柔らかさへと変わっていた。

「袁社...