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272話

「あぁ、彼の話はもういいわ。今じゃ彼のこと考えると家に帰りたくなくなるわ」

そう言うと、呉大橋はぼんやりとした目で籠いっぱいのマツタケを見つめ、今夜の出来事が次々と脳裏によみがえってきた。

「蘭花姉さん、これって私たち因果な縁かしら。こんな年になって、自分より随分若い子と関係を持つなんて」

呉大橋の言葉に、周蘭花は思わず一瞬固まった。

「くすくす…なんでそんなに考え込むの?女として本当の喜びを味わえた女性なんて、どれだけいるのかしら?因果な縁かどうかなんて分からないけど、私が知ってるのは、私たち女は楽じゃないってこと。女として本当の喜びを味わえるなら、それは情の縁よ、運命なのよ。村の女...