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21話

「この山、いつ蛇が出てくるかわからないからね」

赵東はそう言うと、急いでズボンを上げ、山を下りようとした。

しかし、まだ山を下りきる前に、赵東は足を止めた。なぜなら、あの山羊の印は明らかに自分の家のものだったし、何より赵有田がすでに登ってきていたからだ。

「このバカ息子、山で何をしていた?さっきの女の声は誰だ?」

なんと父親だった!

赵東は恥ずかしさで頭をかきむしった。

元々は人を殺したいほどの怒りも、一瞬で半分冷めてしまった。

「父さん、兄嫁と松茸を採りに来たんだ。少しでも売って、兄貴との結婚で作った借金を返すのを手伝おうと思って」

赵有田は本来なら婚約や結婚の話を赵東にする...