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182話

あの硬くて逞しさを感じる感触は、彼女が初めて一人の青年の体から感じたものだった。特に趙東の身体がわずかに震えたのを感じ取ると、彼の緊張が伝わってきた。

思わず彼女はむしろ安心した。

趙東もまた趙婷婷のしなやかで柔らかな手の感触を受け、その心地よさに思わず振り向いて手を取り、愛おしく撫でたい衝動に駆られた。

「婷婷姉さん、僕は喉乾いてないよ。何か忙しいことがあるなら、手伝おうか」

趙東は当然、趙婷婷の慌てた様子を見ていた。彼の心の中では、手伝いながら何かチャンスを作りたいとも思っていた。

窈窕淑女、君子好逑なり。ましてや趙東は自分が君子だとは一度も思ったことのない男だった。

「いいの...