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1203話

「今のお前さんの人付き合いの腕前も中々のものだし、俺から学んだことも多い。外に出て世間を見てこないというのも違うだろうな」

棒子村を出て行くことを考えると、趙東が真っ先に思い浮かべたのは陳嬌明のことだった。

もし棒子村を離れるとしたら、その目的はただ一つ、陳嬌明に会うことだと感じていた。

「牛おじいさん、棒子村をしっかり発展させてから出かけます。必ずおじいさんの医術を広めてみせますよ」

「ああ、その言葉、この老人は忘れんぞ。しかし私はやはり同じことを言う。目先の利益だけを見るな、もっと先を見据えろ」

そう言うと、牛根生は薬籠を手に取り山へ薬草を採りに行こうとした。

その様子を見た趙...