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1192話

「えっと、予約は必要だって聞いてなかったけど、私が来れば会ってくれるって言われたんですが」

門衛はまだ少し疑っていたが、趙東のこの言葉を聞いて、完全に疑いが晴れた。

「帰りなさい。ここには入れないよ」

「え?なぜ入れないんですか?」

「うちの社長は予約が必要なんだ。来さえすれば会ってくれるなんて言う人間は初めて聞いたよ。それに君の様子を見る限り、社長と親しい間柄にも見えない。もし君を通したせいで社長の怒りを買ったら、この仕事も失うことになる」

趙東が反論しようとした瞬間、背後から驚きの声が響いた。

「若いの、こんな偶然があるなんて!あの時は電話番号を聞くのを忘れてしまっ...