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1152話

数回の針を打ったところ、老婦人はなんと以前よりもはっきりと物が見えるようになったと感じた。

それに驚きつつも喜びを隠せない様子だった。これまで多くの人が見放した病気を、趙東はわずか数本の針でその症状を緩和させたのだ。これで彼女も趙東が本当に自分の病を治せると信じるようになった。

向陽は心配そうに自分の祖母を見つめていた。

「おばあちゃん、具合はどう?」

「良い、良い、ずっと良くなったよ。小趙村長はまさに神医だねえ」

祖母の病状が大分良くなったと聞いて、向陽も大変喜んだが、どうやって趙東に感謝すれば良いのか分からず、ただ口先で何度も礼を言うばかりだった。

趙東は向陽の感謝...