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1004話

池の周囲の薬草も枯れた様子はなく、大きな黄牛は再び空に向かって数声鳴いた。

シュッ、シュッ……

黒い大蛇は舌を出し、黄牛を一瞥してから再び頭を下げて日光浴を続けた。まるで趙東の到来など全く関係ないかのように。

この光景に趙東は驚きを隠せなかった。明らかに黄牛はこの大蛇と意思疎通ができるようだった。

しかし彼はそれ以上気にしなかった。大蛇が攻撃してこなければそれでよかった。彼は走るのが得意だが、この蛇から逃げ切るのは難しいだろう。

ポン……

趙東は直接バケツの蓋を開けた。瞬時に清らかな香りが池の周りに広がった。

その香りを嗅ぐと、黄牛の銅鑼のように大きな目に、人間のよ...