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70話

「それに、あなたたちは私の命を救ってくれたのよ。こんなお金、なんてことないわ。阿宾、桂枝、あなたたち二人がおばさんの顔を立ててくれないなんて言わせないわよ。これで決まりだからね！」

阿宾と桂枝は顔を見合わせ、最後に桂枝が口を開いた。

「阿宾、やっぱり泊まっていこうよ？おばさんも好意でしてくれてるし、それに夜通し帰るのも実は安全じゃないわ。午後には山で豪雨が降ったばかりだし、夜にまた降らないとも限らないし」

「たとえ無事に帰れたとしても、明日の朝また早起きして来なきゃいけないでしょ？」

「急いでると良くないわ。焦ると間違いも起きやすいし、おばさんの言う通り泊まって、明日の朝もそんなに急が...