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689話

「施主、何の御用でございますか?」

静慈は疑わしげに横目で尋ねた。彼の色気のある目から何かを感じ取り、心配になってきた。もしこの男が山の中で私を強姦したら、どうすればいいの?阿弥陀仏、絶対にやめて。彼はあんなに強いのに、二人の男性でも敵わなかったのに、私なんて抵抗できるはずがない。

「怖がらなくていいよ。阿宾はお前のことを気に入ってるけど、人の弱みにつけ込んで、こんな人里離れた場所で無理やり犯したりしないよ。つまらないじゃないか!ただお前の歩みが遅いのが気になってるだけさ。この速さじゃ、庵に戻るのに一時間以上かかるだろ?庵に着くころには昼になって、昼飯を食べてから帰ることになる。それからまた...