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667話

「なんと、阿宾の手はすでに彼女の首筋から衣を押しのけて下へと進み、今にも二つの山に触れようとしていた。彼女は自分の体が震え始め、呼吸が荒くなるのを感じ、言いたくても恥ずかしくて言えなかった。

「師太、あなたも私と同じように、実は強く私を思っているのではありませんか?」

「いいえ、施主様。貧尼は出家した身、どうして俗世の欲に執着できましょうか。施主様の誤解です。どうぞ早く下山なさってください」

そう言うと、了塵師太は突然立ち上がり、両手を合わせ、阿宾に向かって念仏を唱え始めた。「南無阿弥陀仏」と「罪でございます」を繰り返し、心の中で釈迦牟尼仏に謝り続けていた。阿宾はそんな彼女を見るほどに、...