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2860話

「さすがに張妙は胆が据わっているとはいえ、考慮することがないわけではない。自分のことはともかく、叔父の顔に泥を塗るわけにはいかなかった。

二人は急いで身なりを整え、阿宾は彼女をこの場所の雰囲気から守るように、抱きかかえて祠堂から出た。

祠堂を出るとすぐ、安大坤の家から娟子の鋭い悲鳴が聞こえてきた。阿宾はすぐに何かあったと察した。

「まずい、家で何かあったんだ。急いで戻ろう。誰がどうしたんだ?姉ちゃんの声だ」

「大姉さんの声みたい。こんなお祝いの日に、何があったっていうの?」

張妙も娟子の泣き声だと気づいていた。

「とにかく、先に家に戻って確かめよう」

そう言って、阿宾は急いで張妙の手を引いて家...