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2769話

一方、静缘の小さな尼僧は、春を待ち望む少女特有の期待と好奇心を抱いていた。彼女は二人の戦いを自分の目で見届けたいと思っていた。すでに尼寺を離れた静慈師姉に尋ねたことがあった。師匠と大師姉がともに安施主の良さを語るのに、なぜ彼女だけがここを離れたのかと。

静慈も彼女に打ち明けていた。もし阿宾がずっと彼女たちのそばにいて、ここを離れず、毎日彼女たちと過ごしてくれるなら、自分もここを離れたくなかっただろうと。彼女も阿宾に夢中になっていたのだから。

でも彼女の心は分かっていた。阿宾は彼女たちのうちの誰のものでもない。彼女たちはただの一皿の料理、一盆のお菓子に過ぎず、主食ではない。彼は決して彼女たち...