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2765話

阿宾が尼僧院の山のふもとに着くと、見慣れた姿が水の入ったバケツを持ちながら、階段を必死に上っていくのが見えた。一目で静缘の小さな尼僧だとわかった阿宾は、すぐに数歩跳んで彼女に追いついた。

「静缘さん、ほら、手伝いますよ」

阿宾は彼女の後ろに立ち、笑いかけた。

静缘が振り返ると、確かに阿宾だった。怒りに満ちた表情で、彼女は叱りつけた。

「あなたなんて、ただの女たらしよ!最低な男!消えてちょうだい!もう二度と会いたくないわ」

そう言いながら、阿宾の頬に平手打ちをお見舞いした。

阿宾は小さな尼僧に殴られて呆然としたが、静缘の怒りは了尘師太たちが傷ついたことを示していた。だから怒るどころか、申し...