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2679話

「彼は明日ここを去ると言っていたわ。私はもう彼なしでは生きられない。あなたが一日でシンプソン夫人を愛せるなら、私が数時間でアビンを愛することだってできるはず。それは十分理にかなっているでしょう?」

モリヤは冷ややかに笑った。

実際、アビンは先ほど彼女がそうすることを止めようとしていた。しかしモリヤはこの件に関して非常に頑固だった。アビンには分かっていた。いわゆる「愛が深ければ憎しみも深い」というように、これこそがモリヤがカルロス大統領を本当に憎むようになった証だった。朝三暮四の態度を憎み、彼女の存在を完全に無視することを憎み、彼女を簡単に他の男に譲り渡したことを憎んでいた。

言うなれば、カ...