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2532話

「しかし、それでは完全に不審者として警戒されてしまう。割に合わない」と思い巡らせた末、彼はトイレに潜伏して日が暮れるのを待つことにした。

今日一日何もせず、食事も水も取らずとも、夜になるまで待ち、カルロスと二人きりで会える機会を得なければならない。

言うは易く行うは難し。この待機の時間は本当に苦痛だった。

ただ待つことの辛さだけではない。時折、様々な人間が入ってきては放屁や排便をする臭いを嗅がされる羽目になるのだ。決して心地よい香りではない!

長話短縮、一日の時間はゆっくりとした待機の中で耐え忍ばれていった。

空の色が徐々に暗くなり、大統領府の職員たちも次第に少なくなっていった。

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