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2325話

「アビンはこの件がそう簡単な話ではないと知っていた。そもそも死刑判決を受けていたのだ。再審請求など簡単にできるものではない。しかも今の状況は、兵を率いて政府に圧力をかけているようなもの。フィリピン政府が彼を排除する決意がどれほど強いか、それにかかっていた。

だから、アビンも内心では確信が持てずにいた。今の彼の状況はかつてのアバネフやメルセフの頃とは違う。これまで反政府武装組織はそれぞれが独自に動き、まとまりがなかった。政府も彼らが大きな脅威にならないと判断し、あまり重視していなかったのだろう。悪事を働かなければ、その存在を容認していたのだ。

しかし今は違う。アビンは彼らを完全に統合し、強力...