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1892話

それらの事を話し終えると、ジオットはアビンと握手をした。わざと力を込めて握りしめたが、アビンは微笑みを浮かべながら内功を使って相手と力比べをしているものの、反撃はせず、ただ義兄に「手に余る相手だ」と悟らせるだけだった。

相手の顔を立ててやるのも悪くない。結局は将軍なのだから。それに、さっきは向こうの奥さんと寝たばかりだし、どう考えても自分が得をしている立場だった。

玄人同士、手を取り合えば実力の差はすぐにわかるもの。ジオットはアビンの力強い手から、自分が相手の敵ではないことを感じ取った。手のひらの大きさでは自分の方が粗野で大きかったが、それでもアビンの手を小さく握りつぶすことはできなかった...