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122話

彼女はそう言うと、秀莲の返事を待たずに、自分勝手に包みを解き始めた。

中身は粉末状のもので、香りがしていた。具体的に何なのかは誰にもわからなかった。

秀莲はやや居心地悪そうに傍らに立ち、どう対応すべきか戸惑っていたが、阿宾の置かれた状況を理解し、今はこの芝居を続けるしかないと悟った。

そうして、楊美玲と秀莲の協力のもと、阿宾はその香りのする粉末を無理やり嗅がされた。すると本当に体中の力が抜け、まったく力が入らなくなった。楊美玲に鼻をつままれながら口に鶏スープを流し込まれ、あっという間に一瓦罐分のスープを全て飲まされ、お腹はパンパンに膨れ上がった。

秀莲が水や粥を飲ませてからこの鶏スープまで、ほ...