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84話

陳勇の手は彼女の太ももに置かれ、大きな両手が太ももの内側を這うように撫で始めた。

蒋月が少し身をすくめて避けようとすると、陳勇は彼女の耳元に何かを囁いた。

その言葉に、彼女はすぐに体の緊張を解き、彼の動きに身を委ねるようになった。

以前は気づかなかったが、親友の彼がこんな色気の達人だったとは。

たった一言で俺の妻をあんなに従順にさせるなんて。

まるで陳勇が妻に魔法でもかけたんじゃないかと疑ってしまう。

蒋月が嫌がることなら、十頭の驢馬でも引き戻せないほど頑固なのに、今日はどうしてあんなに簡単に屈服したんだろう?

自分の疑念に満ちた表情を見抜いたのか、張潔が私の耳元に近づき、くすりと笑っ...