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760話

「そうに決まってるでしょ。最初の頃も同じこと言ってたわ。あなたが主導権を握って、気に入らなければいつでも止められるって。もう大丈夫でしょ?私たち、中に入るべきじゃない?みんな待ってるわよ」

私の言葉を聞いて、妻はようやく他に質問することもなく、ただ小さく「うん」と一言だけ返した。

それならばと、私は妻の手を取り、目の前にあるKTVへと足を踏み入れた。

盛世皇朝エンターテイメントクラブ。

かなり威圧感のある名前だが、妻と一緒に階段を上り、磨き上げられたガラスドアをくぐって中に入ると、周囲は文字通り豪華絢爛だった。

「ここ、想像してたよりずっと高級ね。こんなに金ピカに装飾されてるなんて。...