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736話

妻は素早くベッドに横になり、布団を被った。

暗闇の中での妻は妖艶で魔性的な姿をしていたが、今こうして向かい合い、お互いの顔がはっきり見える状態になると、また元の姿に戻ったようだった。

私は妻を抱きしめ、しばらくの間、二人とも言葉を交わさなかった。

互いに抱き合い、心と心で通じ合うこの時間は本当に素晴らしかった。妻も多くの胸の内を私に打ち明けてくれた。

朝の八時過ぎに出かけたのに、今はもう午後二時を過ぎている。まさか妻と部屋でこんなに長い時間を過ごすとは思わなかった。

今、私のお腹はぐうぐうと鳴っていたので、妻に服を着て部屋を出て何か食べに行こうと声をかけた。

妻は起き上がって服を着始めた。一...