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690話

私は家に帰って様子を見るという考えを抑えていた。もし馬叔と妻が何かを起こしているとしたら?

以前なら絶対にないと断言できた。だが、長年独身だった男と、完全に欲望が開花した女性——今は確信が持てなくなっていた。

外で十分な時間を過ごした。もし馬叔が本当に何かをするつもりだったなら、きっともう終わっているはずだ。

こうして出かけたのは、妻の警戒心を和らげるための作戦でもあった。だから今こそ戻るべき時だろう。

帰宅する道中、ずっと胸がどきどきしていた。その好奇心と期待感が、私を狂いそうなほど苦しめていた。

馬叔は黒く日焼けした健康的な体つきで、少し老いた足をしている。容姿は良くなく、長年の農作業で顔...