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53話

「思ったより大雑把そうに見えるのに、料理となると結構目の保養になるわね。月月、正直に兄さんに教えてよ、もしかして前に料理人の勉強でもしてたの?そうじゃなきゃ、こんなに野菜を綺麗に切れるわけないでしょ?」

陳勇は一切りのキュウリを手に取って眺めながら、私の妻に惜しみなく褒め言葉を浴びせた。

蒋月はこれまで、こんなに気前よく降り注ぐような称賛を浴びたことがなかった。

彼女のキュウリを切る動作が少し不自然になり始めた。

「陳お兄さん、私みたいな小物を買いかぶりすぎよ。たくさん切ってるうちに上手くなっただけじゃない?ただのキュウリ切っただけなのに、百八十回も褒められちゃって、もう恥ずかしくなってきたわ...