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525話

「ねぇ、これからも私のこと信じてくれる?」妻がまた尋ねてきた。

私は頷いた。少なくともこれだけ長い年月、妻のことはよく理解しているつもりだ。最初は慎み深く控えめで、今は優しく心の温かい人。妻の良いところは一度も変わったことがない。一時的に自分を見失ったからといって、妻のすべてを否定するつもりはなかった。

「もちろんさ。そうじゃなきゃ、俺たちがこんなに長く幸せに暮らしてこられるわけないだろ。あの頃、君は若くて美しくて魅力的で、ほとんど大学でも有名な美人の一人だった。俺が君を追いかけてた時は、本当に必死だったんだぞ」私はそう妻に語りながら、先ほどの時の流れについての感慨にも応えていた。

妻は私の言...