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16話

私の両手はまだバタバタと動いていて、気づかないうちに張潔の胸に当たってしまった。

その瞬間、私はまだ気づいておらず、ただ手が何か非常に柔らかいものに触れたという感覚だけがあった。

張潔の手は私の腕の筋肉をしっかりと掴んでいて、私たちは水の中で重なり合ってしまった。

彼女が下で、私が上から彼女を押さえるような形になっていた。

「李聡、あなたの筋肉、本当に素敵ね。陳勇は筋肉なんて一つもないのよ。いつか彼も連れてきて、一緒に鍛えさせてあげたらどう?」

私は少し落ち着きを取り戻し、彼女の指示に従って泳ぎ続けた。

徐々に水中で自由に泳げるような錯覚を覚え、張潔と冗談を言う余裕も出てきた。

「お嫂さん、こ...