兄弟の妻

1155話

私が妻と一緒に家に帰った時、妻は靴を履き替え、部屋着のネグリジェに着替えると、そのまま台所へ向かい、今夜の帰り道に買ってきた食材を調理し始めた。

妻と会ってから今に至るまで、この一件で妻はいつになく寡黙になっていた。事の顛末を私が知ったとはいえ、妻の心には依然として罪悪感が残っているのだろう。

私は馬婷が言っていたことを思い出していた。特に、あのようなナイトクラブや高級クラブのプロの女性たちから教わった小技のことを。前回はただ試しにやってみただけだったのに。

そう考えると胸の内が疼きだした。だが、何故だか、あの眼鏡コブラの郭卿敏にはまだ別の目的があるような気がしてならない。単に私の素性を...