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1073話

「これは僕だけの呼び名なのに」王建という義弟がそう自称することに、私は少し違和感を覚えた。

妻は目隠しをしているせいか、いつもより遥かに大胆になり、思考も解放されたように見える。王建の絶え間ない言葉に抗えず、微かに頷いて承諾してしまった。

私はその場に立ちながらも、先ほど王建が妻に何を囁いたのかは聞こえなかった。しかし妻が王建の「あなたの旦那」という自称に反論せず、さらに彼の要求に頷いて同意する様子を見て、私の胸中には奇妙な感覚が広がっていった。

次の瞬間、ソファに座る妻が少し顔を傾けるのを見た。そして驚く私の目の前で、妻の小さな唇がわずかに尖らせた。

ゆっくりと、柔らかくピンク色の舌...