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453話

「ふふ、女か。もし美人なら、光兄が先に手を出して、俺はおこぼれにあずかるだけでいいよ」張子揚は昨日の一件で随分と大人しくなっていた。あまり傍若無人に振る舞えないことを理解したようだ。

「はは、張少爺、お気遣いなく。やはり張少爺が先にどうぞ。私は手を出しませんよ」光兄は聡明な男だった。この人物が張子揚と衝突したということは、二人はかなり知り合いであるはずだ。もし自分があの女に手を出して事態が悪化すれば、自分も無事では済まないと分かっていた。

二人が話している最中、劉俊剛がバイクに乗って視界に入ってきた。「止まれ、止まれ、通行検査だ」劉俊剛は前方の道に四台のワゴン車が横一列に並んでいるのを見て...