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972話

それで、彼は私に引っ張られて片隅へ連れていかれた。

他の数人は呆然として私たちを見つめていた。

「ちょっと待っててね、この社長さんとちょっと話があるから」私は彼らに向かって言った。

「あんた、一体誰なんだ?」ビール腹の男は驚きと困惑が入り混じった様子で尋ねてきた。

「私は漢方医で、『気を見る術』を使えるんです。人の気色を見るだけでその人の体調がわかるんですよ」

「な、何を馬鹿な事を言ってるんだ。俺が前立腺がんだって?金を脅し取ろうとしてるのか?」

「社長さん、じゃあ、あなたがEDだというのは間違いないでしょう?」

さっき、あの女性が昨夜この男が車を買ってあげると約束したと言っていたので、昨夜二...