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964話

周先輩が残した丹薬の中には、陰元丹が三粒あった。

私にとっては何の効果もないものだったので、それらを無視していた。

陰元丹は製造が難しく、その要は妖怪の精血を主薬とすることだ。

妖怪とは何かというと、霊力を得た動物や植物などのことで、日月の精華を吸収して妖となったため、その血肉には大量の陰気が含まれている。

だが現代において、どこに妖怪などいるというのか?

私は鬼将の目に宿る熱気を見て取った。明らかに陰元丹に強く惹かれているようだ。

これはつまり、この道士は鬼将を自在に操ることができず、ただ陰元丹で誘い出しているだけだということを示している。

「よかろう!」

鬼将はぼそりと一言呟くと、すぐさ...