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961話

「小僧、逃げるな!お前は逃げられないぞ!ハハハ、お前の伝承を差し出せば命だけは助けてやる!」

あの道士が後ろから叫びつけてきた。

こいつは都合のいいことを考えているな、まさか俺に目をつけるとはな。

だが、目利きではあるようだな!

月明かりの下、俺たちは前方の大きな山へと急速に近づいていく。

ふん、人気のない場所に着けば、もう遠慮することはないな!

あの道士もそう考えているだろうか?

俺たち二人の速度はどちらも非常に速く、十数分後には山のふもとに辿り着いた。

ここはもう荒涼としている。

そこで、俺は足を止め、振り返った。

道士も足を止めた。

「小僧、お前の身には必ず大きな秘密が隠されている。素直...