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848話

「口ではそう言いながら、心では違うことを思ってるんだろ。昨日、なぜ私の部屋に来たんだ?お前は今食べてる椀のことも気にしながら、まだ鍋の中のことも狙ってるじゃないか」

「秦姉さん、もう話ははっきりさせたよ。決めるのはあなた次第だ」

「ふん、今じゃ調子に乗って、私にこんな選択をさせるなんて。まるで私が嫁に行けないみたいな言い方ね!」秦姉さんは顔を曇らせた。

でも、彼女が本当に怒っているわけではないことは分かっていた。

「秦姉さん、僕は本気であなたのことを大切に思ってる。あなたの気持ちも分かるし、僕だって辛いんだ!僕と梅子のことは最初から最後まで、あなたも見てきただろう。どうして彼女を諦めら...