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776話

錬丹というのは決して単純な作業ではない。丹炉や薬材が不可欠なのはもちろんだが、さらに重要なのは錬丹師自身の実力だ。少なくとも真気を持つ黄級武者でなければならない。炉の火は真気で制御する必要があり、高級丹薬に至っては特殊な「霊火」が必要とされ、それにはより高度な真気の操作が求められるからだ。

市場を一回りしてみたが、特に収穫はなかった。

そこで、最大の店舗へと足を向けた。

そこには数人が荷下ろしを手伝っていた。

店内に入ると、若い店員が近づいてきた。「いらっしゃいませ、どんな薬材をお求めですか?当店ではなんでも揃っていますよ」

ざっと店内を見渡してから尋ねた。「人参はありますか?」

「もち...